20代の若手社員の中で、就きたい職業・絶対嫌な職業で意見が別れるのが営業職です。
好意的に受け止めている人の意見だと
- 自分の実力や成長が数値化されるので働きがいの実感が得やすい
- 社長や上級管理職など上位レイヤーの人と若い頃から交流がもてる
- これまでの経験や学歴に関わらず高いお給料を目指すことができる
逆に否定的な意見の人だと
- パワハラやモラハラのイメージがある
- 仕事とプライベートの境目が無くなりそう
- ノルマをクリアできなければ毎日詰められる
こんなイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。
働く側・関わる側の両方から最も評価が分かれやすい営業職に新しい波がきているのは知っていますか?
それがインサイドセールスです。
今回の記事では、インサイドセールスとは何か?今までの営業と何が違うのかなど解説します。
営業として働く人や、営業を受ける会社員の皆様にとって、少しでもポジティブな印象を持ってもらえると嬉しいです。
インサイドセールスとは?
様々な疑問があると思いますが、客先に訪問しないまま受注まで行くパターンや、特定のフェーズまでをインサイドセールス部署が担当するパターなど様々です。
日本の会社は、営業所を増やすことで商売のエリアを拡大させようとします。
欧州や中国など、国土が広い国では、客先まで数十時間かかることもあります。売れるか売れないか、そもそも大きな商談ができるのかわからない中で、営業に行くのは、現実的ではありません。
日本では、客先に顔を出すのが礼儀という文化でしたが、テレワークや在宅勤務増加の影響で、良い意味で文化がなくなりました。
逆に、訪問するのが難しくなったことで、営業マンたちは自分の目標クリアするための方法を懸命に探しました。その結果、インサイドセールスは、流行ってきているのです。
インサイドセールスの定義は商材や会社によって様々
ただ、様々な形式が取られているため、定義づけは難しいです。
- ホームページやパンフレットなどで会社概要・沿革を整える
- 営業部署で成果を挙げている人材をインサイドセールス部署に回せるように社内で調整する
- CRMや商談ツール、資料を現場と共に整える
- どの領域をインサイドセールス部署が担当するか決める
- 少人数でスタートする
- 会社概要
- 主な取引先や導入実績
- 沿革
- 代表挨拶
- どのくらいの量、コールをしたのか
- どの顧客ステータスに当たっていたのか
- どの業界に当たっていたのか
- アポ率や商談率は上記の項目で、どの程度違ったのか
- 同じトークスクリプトを使っていたのなら、どのような頻度で、どのようにそれを活用していたのか
- 営業全員が同じ「定義」のもと動けているか
- 各営業ごとに月あたり、何件の電話ができて、何件の商談が最大数か把握できているか
- 営業トークの間やひやキングの切り出し方など、ハイパフォーマーとローパフォーマーの定性的な違いの言語化
- 営業リストの定期的な整備
- 他部署との担当領域の調整
- クレーム発生時の対応
今までの営業をそのまま、訪問せずに行えばインサイドセールス部署ができるわけではありません。
先ほど挙げたように、会社の方針に沿って人員やマネジメントを見直す必要があります。
まずは、自社がどのような商品を販売しているかです。広告や回線など無形商材の場合は、ZOOMやベルフェイスといったオンライン商談ツールを取り入れれば、インサイドセールス部署として、外側は完成するでしょう。
一方で、メーカーなどで有形商材を扱っている場合は、試作品(サンプルやプロトタイプ)を郵送して話を進める必要があります。重量なども検討し、そこにかかる経費とバランスを考えながら進める必要があります。
インサイドセールスの導入の優先順位
答えはNoです。
訪問型の営業でも同じことが言えますが、会社間の取引では、信用がものを言います。
訪問営業の場合だと、営業担当の容姿や人柄、立ち振る舞いから判断できます。
しかしながら、無訪問で提案する場合、「信用」の強化が必要です。
そのとき、ものをいうのは導入実績や社長(責任者)の顔がしっかり見えることです。
口ではなんとでも言えますが、これを客観的に証明する必要する必要があります。
これらは最低限必要になります。
ホームページも作れば良いというわけではなく、自社製品と関係ないアドセンス広告だらけのホームページは避けるべきでしょう。
インサイドセールスを社内で立ち上げるためには成果と影響力が必要
2つ目の項目で大切なのは、実績があり、社内で影響力を持っている人を参加させることです。
何故ならば、実績をあげるためには、他の営業マンが真似することのできる模範が必要となるからです。
インサイドセールス導入の最大のメリットは、ブラックボックス化しがちなハイパフォーマーの営業の動きを可視化できることです。
インサイドセールス部署に配属されたメンバーが安定的に収益をもたらすことで、初めて影響力が出てきて会社から大きな投資をしてもらえます。
そのためには、教育の手間が比較的軽い優秀な人材を初めから登用し、そのトークや手法を全員で真似することが重要です。
インサイドセールスで成果をあげるためのマネジメント方法
何より重要なのは、マネジメントのやり方です。
営業会社の多くは、その月に最も売り上げを立てた営業マンを讃える文化があると思います。この文化自体は素晴らしいことですが、インサイドセールスでは、もう一歩踏み込む必要があります。
具体的には徹底的なデータ・ドリブンが求められます。
営業マンを讃えるだけで終わらずに、その営業は、
このように数字で徹底的に分析する必要があります。
インサイドセールスで成果をあげるため導入すべきツール
先ほど挙げたような項目を人力で分析するのは無理があります。コロナ禍で様々なインサイドセールスのためのツールやオンライン商談のツールの開発が進みました。
具体的には、ZOOMなどの資料共有や画面共有など商談フェーズで活躍するもの、サイボウズなど営業のKPIを自動集計してくれる営業支援ツールです。
これらの導入は必要不可欠ですが、その前に各項目の定義づけをしておく必要があります。
「あるある」ですが、営業マンによって顧客フェーズについての認識がバラバラなことが多いです。
それを起こさないために管理職は常に足並みが揃っているか、営業スタッフへの教育を徹底していく必要があります。
インサイドセールスの管理職は大忙しです。
これらの項目に常に気を配りながら、チームを運営していかねばなりません。
しかし、これをやっていくことで売り上げの波が少なくなったり、新規開拓の際に、先の売り上げの数字をある程度見通すことができます。
先行きが不安な中、これは大きなアドバンテージになります。
20代の若手がインサイドセールスに挑戦すべき理由
これから先、AIの発達によりマーケティングツールが劇的な進化を遂げていきます。ビジネスの基本は陣取り合戦です。気合と根性ではビジネスの世界で戦えない時代にすでに入っているのです。
これで疲弊して、どんどん若手がやめていく会社は、淘汰されます。
何故なら、戦略が練られていない電話を受けた、お客様候補の会社は社名を聞いた瞬間、電話を切ってしまうからです。
そして、SNSなどで悪い会社の評判は瞬く間に広がります。
このような会社に若者が憧れを抱いて入社したがらないことは自明でしょう。
そう入っても、戦略を練って電話することができる若手は多くないでしょう。
インサイドセールス部署を経験することで、ブラックボックス化しがちな優秀な営業が無意識にやっていることをリアルタイムでまねしたり、その要因を言語化したくなることでしょう。
これがビジネスの世界でいう成長の瞬間だと思います。
若手が良いビジネスマンになるための登竜門がインサイドセールスだと思います。